【麻雀小説】蒼山三段物語 進化編

麻雀界で一世を風靡した『蒼山三段物語』を作者の方の許可をいただいて、

当サイトの記事として転載させていただきました。

※この物語は実際の人物を元に作ったフィクションです。

 

 


蒼山三段物語案進化編

 

第1話

「会長ありがとうございます」

俺は納得した和了の後には必ず心の中でそうつぶやいている。

 

こう話すと私が会長や連盟を馬鹿にしてると一部の麻雀ファンやプロは誤解をしているようで非常に残念に思う。

 

麻雀牌はランダムに積まれている。

 

そのランダムに何だかの法則性を探そうとしているのが連盟のプロであり、自分のマグマ打法もその流派を受け継いでいる。

 

 

先日実家に帰った時の夕食時に俺が

「会長ありがとうございます」

と言ったのを聞いた母親は自分が創価学会に入信したと勘違いして本気で心配された。

 

 

ただこうやって充実した麻雀生活を送れているのは会長のおかげだ。

 

そんなある日会長批判の急先鋒、麻雀ライターサタンフクチがQに乗り込んで来た。

 

第2話

 

負けられない闘いがある。

テレ朝のサッカー中継のコピーのようだが、たかが麻雀と言えども誰でもあるであろう。
Qでの負けられない闘い、それは会長を批判したライターフクチとの対戦だ。
相手は最高学府を卒業している。
自分は高卒でしかない。ただ勝負は麻雀だ。
「マグマと共にあらんことを 」
   心のなかで呟き、スタートボタンに手を伸ばした。

第3話

 

いくらフクチが天鳳などで好成績を残していてもここは歌舞伎町の雀荘だ。

 

マウスを握って上品な麻雀を打っているのとは別のゲームである。

 

早速チンピラカザマの洗礼を受けていた。

 

「リーチ一発ゴールド、ゴールド 裏ドラサービスでデカマンゴ」

 

ほとんど出禁寸前の申告をフクチに浴びせる。

 

「カザマさん満貫の5枚ときちんと申告してください。そもそもこの店は祝儀千円なので小さいマンゴはないのでデカマンゴもありませんよ。」

 

やんわりと注意したが福地の顔はひきつっていた。

 

ペースを握ったカザマの喋りは冴え渡り、リーチ七対子をリーチニコニコと安い上がりを煽り気味申告し続けフクチのメンタルをえぐっていった。

第4話

 

5勝戦の途中経過はカザマ4勝フクチ1勝。

俺はトップこそ2回だったがラスも1回。

 

アウトを減らすことなく宿敵フクチを追い詰めていた。

 

なおかつラス前でカザマがトップ目。

気の早いカザマは「もしラス、賞金の領収書用意して」などと軽口をたたいている。

 

しかしフクチの5s切りリーチに手詰まり、逃げるように暗刻から切ったカザマの8sに声がかかった。

 

「リーチ、モロヒ、スリーカラー この申告の仕方でいいですか?」

 

フクチの得意げな顔。

 

この申告にカザマが決してメンタルを壊したわけではない、ただ次局からただひらすらフクチが上がり続けた。

 

フクチにとってはただ高い手がたまたま上がれているだけで、

(前半あがれなかったからこうゆう事もあるよね)

と思っていたかもしれない。

 

 

四勝同士並んだラス前に福地のリーチ宣言のあとカザマ、フクチともにこれでラス半と告げた。

 

まだ和了がでていない、トップが確定していないのにラス半。

 

この卓上の4人がこのリーチの成就を確信しているようだった。

第5話

 

フクチのリーチは一発こそなかったが二発目にタンピン赤金をツモあがり五勝目を決めた。

 

帰りに賞金を渡す時にフクチに話をされた。

 

 

「蒼山君僕はずっと流れなどないと思って麻雀を何十年も打ってきた。今でも無いと思う。

でもさっきのリーチの時に4人にははっきりとマグマが見えていたと思う。

ツモった時におれは心のなかで呟いたよ

(会長今まですいませんでした)

と。 流れを信じていない自分には書けないがいつか蒼山君とマグマ打法の本を一緒に作れたら嬉しいな」

 

 

「ありがとうございます、自分もまだ会長の元で麻雀の勉強を日々させて頂いていて、とても本を書くような人間ではありません。

これから是非それを目標に精進していきます」

 

 

そうはにかんだ笑顔を見せ、福地と握手を交わしたが、

 

(お前と本書いたら除名になるから勘弁だよ、ツイートやブログには書かないでくれ)と心から思っていた。

 

 

 


この記事を書いた人

りょう
りょう
ブログ『蒼山三段物語』で一躍有名になった男。
謎の多き人物。